接触型金属アレルギーと全身型金属アレルギー

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接触型金属アレルギーと全身型金属アレルギー

アレルギーにはいろいろな種類がありますが、今回はアレルゲンの話ではなくアレルギーの症状の出方の違いについてお話ししたいと思います。


接触型金属アレルギーとは

まず、接触型金属アレルギーについて。これは、その名前の通り、肌にアレルゲンが触れることでかゆみや赤みなどを発生させるアレルギーのことを言います。

 

たとえば、指輪やネックレスをつけると肌に触れた部分だけ赤くなるという症状が出た場合、金属アレルギーの可能性が高いといえます。

 

接触型金属アレルギーが起きるメカニズム

金属アレルギーの症状は、アレルゲンとなる金属が肌に触れた瞬間ではなく、汗によって金属から溶け出した金属イオンが皮膚のたんぱく質と結合することで出ます。

 

この金属イオンと皮膚のたんぱく質の結合物を、人によっては「異物が皮膚に触れたぞ!」と体内で拒否反応を起こすわけです。

 

その結果、赤み、かぶれ、かゆみ、水ぶくれのような症状が起きます。

 

金属以外で接触型アレルギーの原因になるもの

接触型アレルギーによる皮膚の炎症(接触皮膚炎)は、主に指輪やネックレス、イヤリングなどの金属の他、化粧品、洗剤、植物などあらゆるものが原因で起こり得る症状です。

 

例えば、特定の化粧品を使うとニキビができるという場合には、ただ単に肌に合わないだけではなく、その中の成分に対してアレルギー症状を出しているということも考えられます。

 

接触型アレルギーは金属以外でも皮膚科で原因を特定することができます。(ただし、検査できる物質は使用されるキットによって違います。)

 

金属アレルギーになりやすい種類

これは、全身型アレルギーに共通しているのですが、金属の中でもニッケルとコバルトは金属アレルギーになりやすい物質とされています。

 

ニッケルは50円玉、100円玉、500円玉硬貨、スプーン、腕時計、ベルトのバックルなどのステンレス製品に使用されています。

 

コバルトは、携帯電話やノートパソコンのリチウム電池などの使用が多く、直接触れることは少ないですが、コバルトを使用したアクセサリーなどもあるので注意が必要です。

 

特定の洗剤などにもコバルトが含まれることがあります。

 

接触型金属アレルギーになりにくい種類

どんな金属でもアレルギーを起こす可能性はありますが、そのなかで金、銀、プラチナ、チタン、ステンレスはアレルギーが起こりにくいとされています。

 

しかしながら、私の場合金(アレルギー)なので、記念日など特別なアクセサリーなどを購入する場合は、一度金属アレルギーのパッチテストをしておくことをおすすめします。

 

病院にもよりますが、パッチテストは皮膚科で行うことができます。費用も10,000円かからないので気になる方はぜひ皮膚科に相談してみてください。

全身型金属アレルギーとは

一方、全身型アレルギーとは、歯科治療で使用された金属や食品に含まれる金属が口から体内に入ることで発症する症状のことを言います。

 

全身型金属アレルギーが起きるメカニズム

全身型金属アレルギーは、いったんアレルゲンが口の粘膜から吸収された後、消化吸収され汗として全身の皮膚から出ようとするときにかゆみや水泡などの症状が出ることをいいます。

 

そのメカニズムは接触型金属アレルギーと同じで、汗とたんぱく質が結合することで体が異物として拒否反応を示すという流れです。

 

みんな自分のアレルギーを全て知っているわけではないので、手の指や足の裏に痒みや水泡などができても、「アレルギーだ」と気づけないまま今に至っているという場合が多いのが現状です。

 

実際、皮膚科に行ってみてもらっても、アレルゲンについて聞き取りをされることはほとんどなく、ステロイドなどを処方されるだけというパターンが非常に多いです。

 

全身型金属アレルギーは汗をかく場所にできやすいので、足の裏に皮むけや水疱ができることもあり、水虫と間違える人もいます。

 

水虫の薬を汗疱に塗ると悪化することがあるので、病院での診断がない状態で薬を利用することはおすすめできません。

 

全身性アレルギーになりやすい種類となりにくい種類

接触アレルギーと同様、ニッケルとコバルトはアレルギーが起きやすい金属として知られています。

 

ニッケルは主にチョコレートに含まれるため、食べすぎには注意しましょう。今現在ニッケルアレルギーではなくても食べ続けることで
アレルギーを発症することもあります。

 

コバルトは主に納豆、もやし、木の実に含まれています。その他、貝類などビタミンB12を多く含む食材にもコバルトが含有されています。

 

全身性金属アレルギーの症状が出る時間

食物アレルギー(食物を口から摂取することでアレルギーが出る)は、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型があり、症状と症状が出るまでの時間で分類されています。

 

Ⅰ型は食べた直後から30分以内に出るもので、アナフィラキシーショックなどがこれに該当します。

 

一方、アレルギー性皮膚炎はⅣ型に分類され、食べてから24~48時間で症状が出るとされています。

 

アレルギー症状が出るまでの時間は加齢とともに長くなるともいわれていますが、はっきりとしたことはわかっていません。

 

もし、今できている汗疱が食べ物によるものだと疑われるときは、24時間を目安に調べてみるのもいいかもしれません。

 

金属アレルギーは接触型・全身型どちらだけということもある

金属アレルギーは、接触型、全身型、どちらも起こることがありますが、どちらか一方だけということもあります。

 

金属を身に着けるとかゆくなるという人であっても、コバルトや鉄分の摂取で必ずしも症状が出るとは限りません。

 

わたしも、全身型アレルギーではありますが、指輪やネックレスでアレルギー症状が出たことは今のところありません。